案件獲得・営業編 10 / 10 実践 約6分
納品と保守運用|終わりではなく、関係の始まり
公開前チェックから納品、その後の保守契約までを扱います。納品後に無償対応が積み上がる構造と、その防ぎ方を解説します。
この教材で学べること
- 公開前チェックと納品時に渡すもの
- 無償対応が積み上がる構造と防ぎ方
- 保守契約という選択肢
納品して終わりではなく、運用や保守をどう設計するかが継続的な関係につながります。見積もりの段階で運用範囲を明示しておくと、後の認識違いを防げます。
納品時に渡すもの
| 渡すもの | 内容 | 渡さないと |
|---|---|---|
| サイト本体 | 公開済みのURL | — |
| アカウント・権限 | 誰の名義で、どこまで操作できるか | 関係が切れたときサイトが止まる |
| 更新マニュアル | アイテムの追加・更新・削除の3パターン | 更新のたびに問い合わせが来る |
| 素材データ | ロゴ・写真の原本 | 次の制作者が困る |
| ランニング費用の一覧 | プラン費・ドメイン・支払い方法 | 更新忘れでサイトが消える |
| 作業範囲の確認 | ここまでが納品、以降は別途 | 無償対応が続く |
無償対応が積み上がる構造
問題は金額ではなく、前例です。最初の1件を無償で受けると、それが当たり前の基準になります。断るのが難しいなら、あらかじめ「納品後◯日間は無償、以降は保守契約」と決めておくのが現実的です。
保守契約という選択肢
受託制作は案件が途切れると収入も途切れます。保守契約は、収入の構造を変える手段です。クライアントにとっても、都度見積もりより頼みやすくなります。
| プラン例 | 含める内容 | 向いている相手 |
|---|---|---|
| 最小 | 不具合対応・軽微な文言修正(月◯回まで) | 更新が少ない事業者 |
| 標準 | +お知らせ・ブログの更新代行 | 自分で更新する時間がない相手 |
| 拡張 | +アクセス解析の報告・改善提案 | 成果を求めている相手 |
| 決めておくこと | 理由 |
|---|---|
| 対応する範囲 | 「何でも」にすると際限がなくなる |
| 対応の時間帯・返答期限 | 深夜・休日の連絡を防ぐ |
| 範囲外になる作業 | 新規ページ追加・デザイン変更は別途 |
| 契約期間と解約条件 | 双方が抜けられるようにしておく |
納品の先にある「定着」まで伴走する
AIで「作る」ことの価値が下がるこれからは、納品して終わりにせず、お客様が自社でサイトを使いこなせる状態=「定着」まで支えられるかが、いちばんの差別化になります。これはノーコードサロンが一貫して伝えている考え方です。作って渡すだけの人は代替されますが、運用と定着まで伴走する人は簡単には替えがききません。
定着は、特別なことではありません。お客様が「これなら自分たちで運用できる」と思える状態を作るだけです。具体的には次のような支援にあたります。
| 定着のための支援 | やること | 効果 |
|---|---|---|
| 更新レクチャー | CMSの更新を実際に画面共有で一緒にやってみる | 「触るのが怖い」がなくなる |
| 操作マニュアル | そのお客様の画面に合わせた手順を渡す | 担当者が代わっても回る |
| 初回の並走 | 最初の数回の更新を横で確認する | 自走できる状態まで持っていく |
| 数字の共有 | アクセスや問い合わせ数を定期的に報告する | 改善提案の入口になり、継続につながる |
ここまで設計できると、保守契約も「不具合対応」ではなく「成果に伴走するパートナー」として提案でき、金額の見え方が変わります。作る技術だけでなく、この定着支援まで含めて学べるのが、実案件のあるコミュニティの強みです。